2005年度進捗状況
2005年度,本研究グループの進捗は,概ね良好であり成果が得られたと考えられる.実証実験用語学教育教材に関して,本年度は,昨年度検討した実証実験用語学教材の具体的な内容に基づいて実際の教材の作成作業に着手し,大仏殿や大仏の3次元CG素材の編集,スキットに登場するキャラクタの画像や東大寺の地図等の作成,ネイティブスピーカーによるスキットの録音等を行なった.また,本教材の付属編として東大寺の南大門と仁王像を取り上げ,スキット内容を部分的に作成した.
また,ネットワーク帯域に応じた映像コンテンツの適応的映像圧縮・配信方式では,昨年度開発した手法が,映像の理解に必要な時空間解像度を実現するように送信側のエンコーダのみを制御していたのに対し,それによる映像のデータ帯域がなおネットワーク帯域を上回る場合に,送信側でのバファリングによる受信側での映像の停止が説明区間の境界でのみ生じるように,受信側のデコーダを制御するという,映像の``部分連続性"を併せて実現する手法を提案した.本手法によって,ネットワークの有効帯域を最大限に活用して遅延をなるべく抑えながら,要求解像度と映像の部分連続性を保証した講義映像伝送が実現されていることが確認できた.ユビキタス環境におけるネットワークによる映像コンテンツの配信では,ネットワークの帯域の変化に加え,移動等によってネットワークの利用の可否が頻繁に変化するため,このような部分連続性の確保は有効であると考えている.
さらに,上述の手法において,映像コンテンツの理解に必要な時空間解像度を決定する教材指示動作や指示対象を自動認識することを目指し,指示棒先端の軌跡・指示領域の種類・講師の身体の位置・講師の身体の向きと4種類(Emphasizing, Highlighting, Pointing, Outlining)の指示動作との関係性を明らかにした.また,この関係性に基づき,自動的に指示動作の種類と指示領域を認識する基本アルゴリズムの開発を行った.このアルゴリズムは,先に述べた適応的映像圧縮・配信システムと組み合わせることにより,圧縮・配信に必要な時空間解像度を自動的に決定させる手段して利用可能である.