Ubiquitous Learning Architecture For Next Genaration
応用ソフトウェア開発
2005年度研究成果
★三次元動的データ抽象化技術(モーションキャプチャ)
VRコンテンツ収集システムとして、8台のカメラおよびPCクラスタからなるスタジオを構築しました。このスタジオでは、30fpsのスピードで対象の三次元データを獲得することができるため、静的・動的な対象それぞれに適用が可能です。
人物の動き等の動的コンテンツに関しては、関節角度等によって表される抽象化表現法(モーションキャプチャ法)を開発しました。実現したシステムでは、入力された三次元ボリュームデータを直接細線化し、人体モデルデータベースと比較することで人体部位の判定を行い、関節角度表現まで変換することができます。従来法に比べ、対象となる人物への付加が少なく、システムも安価に構成できるという利点があります。
★モバイル向き三次元データ表示プラグインの開発
三次元静的モデルの多層解像度表現に関しては、元の物体を単に抽象化するのではなく、そのままの表面形状を表現できるようなデータ構造をとる必要があります。これに対して我々は、Stanford Universityで開発されたQsplatコード化技術を採用しました。この技術は、元のデータを幾何的なレベルで階層化し表現する技術です。これにより、データの段階的ダウンロード提示などを行うことができます。
この階層化表現技術を学習コンテンツとして利用するためには、データに対する注釈やマルチメディア情報を付加する機能を開発しなければなりません。これに対し我々は、Qsplatのファイル形式とは別にアノテーション情報をメタデータとして保持し、提示時に合成して表示するプラグインを開発しました。本プラグインはJavaで実装されているため、閲覧側には特殊なソフトウェアインストール等は必要なく、Webベース学習システムともスムーズに連携することができます。
★ウェアラブル学習インターフェース技術
ユビキタス環境での学習において、ユーザコンテクストを利用する試みとして、ウェアラブルコンピューティングを利用した学習コンテンツ提示インタフェースについての研究を本年度新たに開始しました。 モバイル環境においては、ユーザは移動しながらモバイル端末等で学習を行うことが考えられますが、その状態に応じてコンテンツを提示する方法は変化します。たとえば、電車に乗車している場合では、コンテンツは画面および音声で提示すべきですが、公道を歩行中は画面は見るべきでなく、音声のみ提示するか、あるいはすべてのコンテンツ提示を終了したほうがよいでしょう。このような切り替えをユーザの手に任せるのはあまりにも煩雑です。
これを解決するために我々は、簡易なウェアラブルセンサを装着し、それによりコンテンツ提示を切り替える手法を提案しています。利用者は簡易な姿勢センサと加速度センサを装着し、システムはこれらのデータから、ユーザの姿勢や運動等の状態を把握します。システムはユーザの通勤・通学等の移動シナリオも把握しているため、限られたセンサデータであってもシナリオと対照することで、ユーザコンテクストを把握することができます。学習コンテンツには、各々のユーザコンテクストに応じた望ましいコンテンツ提示法と入力方法が記述されているため、システムは動的にこれを切り替え提示します。
本年度の研究成果では、人体に角度センサおよび加速度センサを装着し、SVM(Support Vector Machine)による認識を行うことで、通勤・通学等で想定される状態遷移を適切に認識できることが確認できました。
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★文化財三次元データを用いた学習コンテンツ
本グループでは、Qsplatの3次元データ提示機能を使った学習コンテンツを作成しています。この学習コンテンツは、文化財などの3次元データと、3次元データの様々な部分につけられた注釈情報、英語・日本語での解説文で構成されています。ユーザーはPCやモバイル端末などで、文化財の3次元データを自由な視点から見ることができます。一般的なブラウザ上で、3次元データと注釈を同時に見ることができるので、文化財の理解や英語の学習シーンにおいて、わかりやすく効果的な学習を行うことができます。3次元データは、東京大学池内研究室のグループが、レーザスキャナを用いて正確にデータ化した奈良東大寺の大仏(毘盧遮那仏)を使用しています。
学習コンテンツは日本文化を取り入れた英語学習をコンセプトに作成されており、注釈と音声は英語と日本語に切り替えることができます。ユーザーが三次元データ上の注釈をクリックすると、ブラウザ上でその部位の説明文が表示されます。逆に、ブラウザ上の説明文をクリックすると、3次元データの該当部分に視点移動します。説明文は音声で聞くこともでき、リスニングの練習をすることもできます。また、外国人にとっては、英語・日本語で大仏の各部分の名称、説明を知ることができます。
この学習コンテンツでは、平面ではなく立体で物体を観察し、そこから情報を得ることができます。これにより、ユーザーは物体の具体的なイメージを通して学習することができます。現在まではテキスト、画像、音声だけだった受身の学習から、ユーザー自らが積極的に学べるこの学習コンテンツは今後、生物、工学、医療などあらゆる分野で活用されることが期待されます。
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