Ubiquitous Learning Architecture For Next Genaration
応用ソフトウェア開発
研究テーマ
VR学習コンテンツを提示するためのプラグインとして、大阪大学サブグループでは以下のような技術を開発しています。
★有形文化財データの伝送、提示技術
文化財の3次元データは圧縮された形で次世代CMSの中に蓄積されています。端末の描画能力や帯域幅、ユーザの位置や視線は端末から適宜CMSに送られ、CMSはその情報に応じた適切なボリュームデータを配信します。ユーザは持ち合わせの携帯端末を使って、目の前にある文化財に関するより詳しい情報を学び取ることが可能になります。また、ユーザの情報をCMSを通じて公開する設定にすることで、移動場所に応じた講師からの解説や質問を受け取ることも可能となります。
CMSを移動時やフィールドで用いる場合、主に問題となるのが、端末の描画能力(画面の広さやレンダリング能力など)と、データの転送能力です。特に3次元コンテンツの場合、大規模なものは数ギガバイトの容量に達するものもあり、メモリ容量の部分も含め困難が生じます。これを解決するために本グループでは2種類の情報圧縮手法を開発しました。第1に挙げられるのがStreaming QSPLATによる3次元データ転送です。これは、あらかじめ獲得されたボリュームデータを空間的な階層構造としてサーバに保存しておき、閲覧するクライアントの視点位置、描画能力や通信帯域に応じて、適当な階層を適宜送信します。送信された階層に応じたサイズのプリミティブでレンダリングを行われるため、PDA等の貧弱な描画能力やPHS等の狭帯域な通信環境でも、一定のフレームレートを保ちながら描画を行うことが可能です。シミュレーションテストでは、帯域を一定に絞った場合でも、転送する階層を適応的に変化させることにより一定のフレームレートを得ることが確認されています。私たちは、これをフィールド用端末に実装し、端末の通信帯域を動的にサーバが把握する機構を実装することで、実際の狭帯域環境でのテストを行うことを予定しています。
Streaming QSPLATは自由な形を対象としたボリュームデータに対して有効に働くため、仏像等の複雑な形状を持つ対象に対して有利ですが、一方建築物などの近代的構造物を対象にする場合、平面が正しく描画されるまで多くのデータ転送を要するなどの問題があります。こういった物体には、パラメトリックモデル等のより単純化されたプリミティブで対象を表現する方が効果的です。これに対し私たちは、得られた距離画像をハフ変換とEMアルゴリズムを使うことにより、複数の自然二次曲面と平面の組み合わせに分割表現する手法を提案しています。この類の問題は古くから提案されていますが、従来では領域分割の後、各領域のフィッティングや判定を行うため、領域分割結果にその後の結果が深く依存してしまう問題がありました。これを解決するため私たちは、入力される距離画像をプリミティブの混合分布と考え、EMアルゴリズムを用いてすべてのパラメータを同時収束させる手法を提案しました。実験では、数万点の距離画像からなる3次元モデルが、高々数個のプリミティブによって表現されることが示されました。これはデータ量としてはオリジナルの数千分の1となったことを意味します。また実験結果から、最終的に得られた結果が十分オリジナルに近いことも示され、ハフ変換で初期的に推定した結果が、EMアルゴリズムによる収束で改良することも確認されました。一方で、本手法は初期値決定の不安定性や計算時間がかかる等の問題もあり、これらの点を集中的に改善していく予定です。

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